■作品名 少年ファウスト ■公開日 2006年11月23日 ■概要 教習中に何気なく、手塚治虫のファウスト3部作を思い出した時に、湧き上がってきたネタです。 てめぇ教習中に何うわの空になってんだよとか言われそうですが、常にネタを考え続ける事が好きなので、止められません。 CCBがロマンチックを止められないのと同じで、宮尾も妄想を止められないのです。 で、まぁ、その後に更にファウストの事を調べて、手塚ファウスト3部作をエッセンスで加え、宮尾風味に仕上げました。 小説として書く体力がないし、世界観の方が強く出てしまって、獣化がおまけみたいになっちゃったのでネタとして晒します。 慣れないダークSFファンタジーですが、どうぞお口を汚してください。 ■あらすじ 21世紀末、人類の科学力は飛躍的に向上していた。 その中でかつては非科学的と言われた魔法や霊などの存在が、逆に科学的に立証され徐々にそれらは浸透しつつあった。 しかし一方で地球は海面上昇、異常気象、大気汚染などで崩壊の一途を辿り、人類の多くは月や火星などへと移住していた。 そんな時代、火星にあるドイツ植民地「ファッケル(=松明)」。 その貧民街にすむ少年、ヴォルフガングはある日街で奇妙な容姿の少年と出会う。 鮮やかな紅の髪、白く透き通った肌、左が青、右が緑のオッドアイ、そして黒い狼を引き連れた彼の姿は、まさに異様だった。 ヴォルフガングは偶然から彼と知り合い、親交を深める。 少年は自らをファウストと名乗り、狼を「黒のメフィスト」と呼ぶ。 ファウストは死んだ妹を甦らせるためにメフィストと契約し、他人を殺す事で相手と自分の命をメフィストにささげていると言う。 そして戦うためにメフィストから、獣人に変身する力を授けられており、その力で相手を殺す。 次第にヴォルフガングはファウストに深い友情と、興味を持ち始め彼と行動を共にするようになる。 やがてそれは火星と地球をめぐる壮大な事件へと繋がっていく・・・。 ■登場人物 ファウスト 主人公。10代後半。 赤い髪、白い肌、オッドアイと兎に角目立つ容姿を持つ少年。 黒狼の「黒のメフィスト」と契約しており、獣人化能力を使うことが出来、変身時の戦闘力は高い。 獣人は幾つかのバリエーションがあるらしいが、メフィストとの関係からか狼の姿が多い。 その他、獅子、鷹、熊などの獣人に変身可能だが、いずれの場合も彼の髪色である赤と、メフィストの黒が混じった毛色を持つ。 火星において、悪事を働く「生きる価値のない人間」を殺害し、その人間と殺人という禁忌を犯す自分の魂をメフィストに捧げている。 その目的は失った妹をホムンクルスとして甦らせる事であり、そのためには自他の命を厭わない。 一時は妹の面影を持つ少女マルガレーテと出会い恋したことで人の暖かさを知る。 しかし、マルガレーテがその気を狂わせた挙句殺された事により、彼女を救えなかった世界と自分に絶望。 だが、マルガレーテとのふれあいで心の大切さを知ったファウストは安易な殺人をやめる。 そして、荒れ果てた火星の大地、風土、政府、文化が人々の心も荒らしてしまうと考えるようになる。 その考えの基に彼は、海面に沈んだ地球を再生させ、帰還するという事業を計画、進めていく事に。 あらゆる学問に精通しているが、どれも人間の限界を超えないことに嫌気がさし、超常的な力を信仰している。 黒のメフィスト ファウストと行動を共にする狼。 自らの存在について詳しく語ることはないが、どうやら悪魔であるらしい。 契約者であるファウストとのみ会話が可能である。 その目的は不明だが、ファウストに力を与えその行動を観察している。 圧倒的な戦闘力を持っているようだが、自身が動く事は殆どない。 耳尻尾状態の獣人姿になる事も出来る。 ヴォルフガング ファウストの友人。16歳。 火星のドイツ植民地「ファッケル」の貧民街に住む少年。 家庭は貧しく、学校へは通っていないが、尋常ではない知識欲を持ち図書館で様々な知識を身につける。 そのため同様に様々な知識に造詣が深いファウストと意気投合するようになる。 当初はファウストの非常識的な殺人に眉をひそめていたが、やがて彼の目的を理解し彼を影ながら支えるようになる。 そしてファウスト自身には内緒で彼の行動を手帳に書きとめ記録していくように。 魔力は皆無だが、魔術に関する知識は豊富であり、事実上ファウストの助手のような存在でもある。 また、ヴェルターの「白のシャルロッテ」に対してヴェルター同様好意を抱いているが、半ば諦めも付いているようだ。 マルガレーテ ファウストの恋人。18歳。 ファッケルに住む上流階級の少女。 その容姿がファウストの死んだ妹に酷似していた事からファウストに好意を抱かれる。 初めはファウストが最近よく耳にする殺人鬼であることを知り敬遠。 しかし、彼の心の奥にある優しさに気付き、彼の心を憎しみと悲しみから開放し、異性を愛する事を学ばせる。 そのまま2人は恋仲としてしばらく幸せな時間を過ごし、ついに彼との間に身ごもる。 しかし、ファウストとの恋愛を知った彼女の父は、殺人鬼から娘を守るためファウストを手にかけようとする。 父のその行動に絶望したマルガレーテは父が行動を起こす前に、逆に父を殺害。 そのままの勢いで家族、目撃者などを次々を殺害、最後には自分の子供を生んだ直後に殺めてしまう。 ファウストに人の温かさを教えた彼女は、その暖かさに裏切られたあまり心を狂わせてしまった。 ついには彼女は猟奇殺人の罪で処刑されてしまう。 最後まで、ファウストの名を叫びながら。 ヴェルター ファウストと同様の力を持つ青年。20代半ば。 雪のような白髪に、ファウスト同様白く透き通った肌を持つが、目は一般的なブラウン。 月のドイツ植民地「シュトゥルム(=疾風)」で暮らしながら魔術の研究をしている。 契約している白い虎「白のシャルロッテ」に対して人と悪魔の関係を超えた好意を抱いているが、叶わぬ恋に悩んでいる。 彼の本来の目的は別にあったようだが、今は魂を捧げる事で自らをシャルロッテと同じ存在になり、添い遂げるのが目的のようだ。 ファウストやヴォルフガングほどの知識は持っていないが、やはりある程度博識ではある。 特に地球に関しての知識は、火星出身であるファウスト等よりも地球に近いためか詳しい。 後のファウストの計画にはその知識を提供、協力している。 獣人能力では主に虎、狐などの一般的な動物の獣人のほか、竜人への変身も可能。 その事からも、単純な魔力はファウスト以上と考えられる。 白のシャルロッテ ヴェルターと行動を共にする虎。 メフィスト同様、悪魔らしいが自分が何者かは自らは語らない。 契約者であるヴェルターのみ会話が可能。 ヴェルター(そしてヴォルフガング)から好意を寄せられている事に気付いているが、いつも軽くあしらっている。 メフィスト同様耳尻尾形態になる事も可能。